今期最終の活動は、木の葉さらい、カブトムシの産卵床づくりと冬越しの生きもの観察です。
午前は、くま手を持って雑木林(コナラ広場)まで行きました。コナラ広場へ行く山道でシカの足跡やシジュウカラの小群と出会い、秋が深まった静かな山道で生き物の営みを感じました。
コナラの葉がハラハラと落ちる中、落ち葉をくま手で夢中になって集め、袋に詰めました。集めた落ち葉の量は、軽トラックの荷台から溢れるほどになりました。集めた落ち葉をカブトムシの産卵床に入れると子どもたちは、積み重ねられたフカフカの落ち葉を自然のトランポリンを楽しむように踏み固めました。来年の夏には、カブトムシが産卵に訪れるでしょう。
午後の冬越しの生き物探しでは、エノキの根元で冬越しをしている生き物を探しました。エノキの根元で落ち葉を一枚一枚めくりながら丹念に探し、ゴマダラチョウの幼虫が見つかると歓声と拍手が起きました。落ち葉にしっかりと張り付きじっと寒さに耐える幼虫の姿に生き物のたくましさを感じました。観察後、無事に冬を越してくれることを祈りながらエノキの根元に戻しました。
まとめでは、スタッフから「雑木林と人の営みとの関わり」の話を聞きました。
青く澄んだ空と黄金色に染まった田んぼに秋の訪れを感じながらバタフライガーデンとビオトープの整備及び鳴くムシとトンボの観察を行いました。
星ふる学校「くまの木」の花壇は、蝶が好む花を植えてバタフライガーデンとして整備しています。人を恐れることなく花の蜜を吸う蝶の姿に励まされながら、夏の間に伸びすぎた枝の剪定と雑草取りを行いました。きれいに整備されたバタフライガーデンには、ヒョウモンチョウ、アカタテハなどのタテハチョウの仲間が気持ち良さそうに舞っていました。
ビオトープでは、夏の間に繁茂し過ぎた水草を中心に間引きしました。作業中に飛び出してくる生き物の中にタガメ(絶滅危惧種)の幼虫が含まれていました。
鳴くムシ観察は、くまの木周辺の草むらで耳に手をあてて草むらの影から聞こえるムシの音に耳を傾けました。その後、エンマコオロギのメスを誘う時とオス同士で争う時の鳴き方の違いやオカメコオロギを陶器の瓶(カメ)に入れてムシの音を楽しみました。参加者は、羽を立てこすり合わせて音を出すムシの姿を見入っていました。
トンボ観察では、くまの木周辺のトンボの種類を調べました。大人も子どもも網を持って夢中でトンボを採集し、トンボの種類は、資料を見ながら調べました。参加者は、赤トンボと呼んでいるトンボも良く見ると色のつき方、羽や頭の模様の違いからアキアカネ、ナツアカネ、マユタテアカネ、ミヤマアカネなどたくさんの種類があることがわかり、トンボの多様性を実感しました。
夏の陽射しをあびてビオトープの整備と雑木林生き物の観察を行いました。
午前中は、第二ビオトープの観察路の整備と雑木林の生き物観察です。梅雨明けを思わせるほどの強い陽射しの中での作業でしたが、杭と木の板を使って観察路の補強を行うことができました。子どもたちは、作業中に飛び出してくるカエルを慣れた手つきで捕まえます。この時カエルを狙っていたヤマカガシ(ヘビ)を採集し観察することができました。
雑木林の生き物観察は、樹液が出ている木とスタッフが仕掛けた果実トラップを見回りました。樹液にはノコギリクワガタ、カナブンなど様々な昆虫が集まっていて、参加者はカナブンが樹液をめぐり頭と頭を突き合わせてケンカする様子を興味深く見ていました、また、カブトムシやクワガタムシを見つけるとその勇壮な姿に興奮しました。
午後は、採集した生き物の解説と採り方・飼い方の工夫を学びました。栃木県ではクワガタムシをオニムシと呼び、種類によってヘイタイ、ワニと呼び分けているのですが、このことから昔からクワガタムシは子供たちの人気者であったことが分ります。プロジェクトのスタッフが、独自に工夫している虫たちの採り方・飼い方は、図鑑やインターネットからでは得られない情報で、子どもたちの夏休みの宿題の参考になったのではないかと思います。
梅雨の湿った空気につつまれた里山でバタフライガーデンの整備と水辺の生き物の観察を行いました。さらに、今回はくまの木の敷地を離れ、山へ向かって約10km、東荒川ダム親水公園にてモリアオガエルおよびその生息環境の観察も行いました。水辺の生き物観察では、第二ビオトープでヘイケボタル、クロゲンゴロウ、ガムシが繁殖しており、活動の成果を確認できました。
くまの木の花壇はバタフライガーデンとして整備していて、沢山の蝶が訪れます。花壇に植えられている、蝶が好む花に十分な光と養分をに与えるため、スギナなどの雑草取りを行いました。雑草取りは単調な作業ですが、参加者は蝶が舞う光景を思い浮かべながら作業を行い、春の花から夏の花へバトンを渡すことができました。
水辺の生き物観察は、ビオトープで行いました。採集された生き物のほとんどが幼虫で、参加者のみなさんは初めて見る幼虫の解説を聞き、ビオトープで生き物たちの命が次の世代に引き継がれていることを実感したようでした。
モリアオガエルの観察では、産卵シーンを見ることは出来ませんでしたが、木の枝に産み付けられた白い泡の卵塊の中に卵や生まれたてのオタマジャクシを見ることができました。また、モリアオガエルは、産卵期以外は、物陰に隠れていてその姿を見ることがなかなかできないのですが、オスが喉を膨らませて鳴く様子やメスの大きな体など貴重な姿を観察することができました。
カエル、トンボ、ヘビなどの生き物が活発に活動している中でビオトープの整備と身近な生き物の観察を行いました。
午前中は、第二ビオトープでヒメガマ、ショウブなどの植物の間引き、そして杭と粗朶(そだ=木の枝)で観察路の補強を行いました。泥だらけになりながらも見事なチームワークで予定していた作業を終えることができました。
午後は、身近な生き物として「ハンミョウ」の採集と観察を行いました。ハンミョウは、甲虫の仲間で地表で暮らしています。近づくとパッと飛び立ち2メートルほど先に着地します。このことから「道教え」とも呼ばれています。参加者は、体長20ミリ前後のハンミョウをなかなか見つけることが出来ませんでしたが、目が慣れてくると多数生息していることがわかり、次々と採集し飛ぶ姿や個体によって色が違うことなどを観察しました。
身近な場所にも多様な生き物が生息していて、しかも個性的でとても興味深いものであることがわかりました。こういった観察会をきっかけに、普段見過ごしている小さな生き物や足元の小さな花などに興味を持ったり、気付いたりすることができるようになると思います。